i-shoku.com > 医療を考える:富山県医学市民公開講座 > 第3回富大キッズ外科セミナー①
第3回富大キッズ外科セミナー ① ②に進む
第3回富大キッズ外科セミナー(富大医学部第2外科主催、富山新聞社などでつくる医療と食の充実推進協議会など共催)は7日、富山市湊入船町のKNB入船別館で開かれた。塚田一博富大医学部第2外科教授をはじめ、大勢の医師が指導役を務め、手術衣を着た県内の中学生43人が実際の医療現場で使用されている器具を使った模擬手術や手洗いなど衛生に関する体験に挑戦。「模擬手術は簡単そうに見えたが、やってみると難しかった」「頑張って医者になりたいという思いが強くなった」。生徒は外科医の仕事に触れ、忘れられない感動を胸に刻んだ。
会場には最新の手術室が再現され、生徒は高度な外科手術を支える設備を学んだ。心電図や静脈、動脈などの波形が詳細に表れるモニター、医師の影が全く写らずに患者の体を隅々まで照らす無影灯、患者の体位を自由に動かせるベッドなどが紹介された。
辻八雲君(黒部市桜井中3年)は「患者のためによりよい手術ができる環境が整っていることが、すごいと思った。医者になりたいという思いが強くなった」と話した。
胆のうを切除する手術や腹腔鏡(ふくくうきょう)手術のシミュレーションでは、モニター画面上で鉗子(かんし)を操作するなどして、模擬手術を体験した。
細かい手作業に初めは悪戦苦闘する姿が目立ったが、左右の手を上手に使って次第にこつをつかみ、手際良く「手術」を進める生徒も見られた。
鍋澤歩さん(砺波市出町中3年)は「モニターを見ながらの作業は、距離感がつかめず難しかった。将来、外科医になって上手に扱いたいと思うが、手先が器用じゃないとだめなのかなとも思った」と話した。
富大医学部第2外科 塚田 一博 教授
医療と食の充実推進協議会代表幹事も務める塚田教授は、開会式で外科医の仕事のやりがいについて語った。
塚田教授は、「ブラックジャック」や「白い巨塔」など、外科医が主人公の漫画やドラマを例に挙げ、「外科医は『1人で何でもやりこなす』というイメージがあるかもしれないが、実際の現場は医療の仲間となるスタッフとのチームで仕事をしている」と強調した。また、「毎日ピアノのレッスンをするように技術を磨く努力は大切だが、技術向上には仲間の支えも欠かせない」と述べた。
塚田教授は、チーム医療は手術後、患者が退院するまで一貫して続くものであるとし、「外科医は、看護師、薬剤師、栄養士らさまざまな人の協力で医療にベストを尽くせている」と生徒に語り掛けた。
長崎大大学院移植・消化器外科 兼松 隆之 教授
開会式では、キッズ外科体験セミナーを提唱し、長崎で2005年からセミナーを開催している長崎大大学院移植・消化器外科の兼松隆之教授が講演した。主な講演内容は次の通り。
長崎では、「君もブラックジャックになってみないか」を合言葉に外科体験セミナーを開いています。これまでに、長崎大、離島、へき地などで計5回実施した経験から、子どもたちにとってこのセミナーは生涯忘れられない一日になると強く思います。
擬手術に取り組む子どもたちの目は真剣そのものです。外科医顔負けの器用な技術を見せてくれた子どももいました。そんな姿を見ると、私も外科医の一人として「本当に将来のブラックジャックを育てなければ」という思いを抱きます。そして、もう一つ、セミナーでは、子ども以上に子どもの父母が大変熱心なのに驚きます。家族で外科医療に理解を深める機会となれば幸いです。
同様の外科セミナーは昨年末までに、全国46施設で73回実施され、約2500人の子どもが参加しています。取り組みの広がりに手応えを感じています。
制作支援:北國・富山新聞社
第3回富大キッズ外科セミナー
左のサムネールからpdfファイルをダウンロードしてください。
第3回富大キッズ外科セミナー ① ②に進む